2012年03月05日

ペンギン・ハイウェイ

penguin.jpg
「ペンギン・ハイウェイ」森見登美彦

久々に本のレビュー。
最近の森見小説は面白い。
比較的若い作家さんって、処女作から追いかけていけるからその成長ぶりがわかって楽しいよね。
この人の作品は彼を一躍有名にした「夜は短し歩けよ乙女」から読んでるけど、なんかしっくりこないものが多かった。
面白いんやけどね。文体の凝った感じとかが逆にあざとくなってしまってたり、青春もので童貞臭がしすぎてしんどいやつとかなんか惜しかったんよね。

ただ近作ではそれらの要素がどんどん改善されてて、持ち味の独特のファンタジー感が生き生きしてきた。特にこの作品は単純にすごく楽しかった。

主人公は妙に客観的思考をするタイプの小学生。その脇を固めるちょっと頼りない男友達と、利発的な女の子の3人グループが住む街に起こる不思議な現象の謎に迫る日常の中のSFファンタジー。
この3人組の構図は完全にハリー・ポッターよね笑
筋書きだけ書くとなんか「いかにも」な冒険物に見えてしまうけど、そこは森見さんの腕のみせどころ。
物語全体に漂う非現実が現実に少しだけつっこんでくる独特の浮遊感を味わえる。ディテールの設定も絶妙に「ベタ」さと「突拍子のなさ」の間でバランスを保ってる。

キーとなる人物が「コーラの缶からペンギンを生み出す歯科医院のお姉さん」っていうのがいいよね。この感じにピンと来た人はきっと楽しめると思うよ。おすすめ。

posted by しもみだい at 02:29| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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