2005年09月24日

「素晴らしい世界」 浅野いにお

素晴らしい世界.jpg
いい漫画に出会った。この間のライブ前梅田ツタヤにて立ち読み、即購入したこの作品。浅野いにお、この人はこの作品がデビュー作らしい。1980年生まれ。すごく年が近い。
読み終わって思った。これはまさに僕らの世代の漫画だ。毎日のように不景気のニュースが流れ、知らない国で戦争が起こり、少年が凶悪犯罪をおこす、そしてそんなことに慣れて何も感じなくなった僕らの世代の漫画だ。

それぞれにリンクした短編が収録されたこの作品、特に大泣きしたり大笑いする場面があるわけでもない。大事件が起こるわけでもない。物語の中の温度は常に冷めていて静かだ。坦々と過ぎていく日々を送る煮え切らない登場人物たち。でもその世界に限りなく引き込まれていく。それはここで描写されてる世界がまさに今僕らが生きている世界のリアルだからだ。
松本大洋の世界観と通じるものもある。シュールだ。

作者が音楽好きらしく作中の登場人物が軽音楽部だったりするのも個人的に親近感。物語のタイトルに「サンデーピープル」「ワンダーフォーゲル」というのがある。作者もきっとスーパーカーやくるりとかのバンド好きなんやろな。うん、いい。

繰り返しになるけどこれは僕らの世代の漫画だ。なんとなく勉強して、なんとなく進学して、なんとなく就職しようとする僕らの漫画だ。特に同じ世代の人たちに是非読んでもらいたい。そこには僕らがみている世界がある。
posted by しもみだい at 02:16| Comment(9) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。